前経済産業相の菅原一秀衆院議員(東京9区)が6月3日、議員辞職した。1日に自民党に離党届、大島理森衆院議長に辞職願をそれぞれ提出。離党届は2日に受理され、辞職願は3日に許可された。菅原氏を巡っては2019年、秘書を通じ有権者に香典などを提供していた問題が発覚。さらに4月、地元の夏祭りで御祝儀を提供した疑惑が浮上していた。菅原氏は「当局から要請があれば誠実に対応する」とコメントしていたが、進退については明言していなかった。(事件ジャーナリスト 戸田一法)
特捜部の不起訴処分に
検審が「待った」
東京地検特捜部は近く、公職選挙法違反(寄付行為の禁止)の罪で略式起訴する方針を固めているとみられ、来月の東京都議選や秋までに実施される衆院選をにらみ、党に迷惑がかからぬよう「けじめ」をつけた格好だ。
4月に浮上した疑惑は18年以降、菅原氏が夏祭りや盆踊りなどの行事を主催する町内会や商店街に、行事の度に数千~1万円を提供していたという内容だ。
全国紙社会部デスクによると、特捜部は公訴時効にかからない50万円前後を立件する見通し。菅原氏は任意での事情聴取に対し、現金配布の事実や違法性の認識について大筋で認めているという。