欧州連合(EU)は新型コロナウイルスワクチンを巡り、知的財産権を一時的に放棄することを呼び掛ける米国を中心とした動きに強い抵抗を示している。EU関係者は準備中の対抗案について、製薬会社の特許をよりよく保護し、途上国への供給を促進する他の方法を探るものだと主張している。国家間のワクチン格差が広がる中、米国と中国は途上国が世界貿易機関(WTO)に提案したワクチン特許保護の一時停止案を支持している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した資料によると、EUの代替案はワクチンと原材料の輸出制限を撤回することで世界の製造能力を拡大するほか、場合によっては既存ルールを用いて各国が特許を無効化しやすくする方針だ。