先週、アクティビスト(物言い株主)のヘッジファンド「エンジン・ナンバーワン」が委任状争奪戦で米石油大手エクソンモービルに勝利した。投資家が気候変動リスクをかなり真剣に受け止め始めていることが改めて浮き彫りになった。ただ、今回のヘッジファンド側の勝利は、エクソン経営陣の株主に対する目配りがいかに足りなかったかを示すものでもあったようだ。先週、エンジン・ナンバーワンが推薦した2人がエクソンの取締役ポストを獲得した。票の集計が進んだ結果、エンジン・ナンバーワンの別の候補者が3つ目のポストを獲得する見通しだ。だが、投資家はエクソンに思い切った環境重視への転換を求めているわけではない。選任された3人の候補者のうち、グレッグ・ゴフ氏とカイサ・ヒエタラ氏の2人は石油精製会社の元役員で、ヒエタラ氏は再生可能燃料分野での経験がある。3人目の候補者アレクサンダー・カーズナー氏は、再生可能エネルギー分野での経歴を持つ。