国際商品価格の高騰が世界経済の回復に影を落としつつある。ぜい弱な企業や家計の足かせとなっており、インフレが定着するとの懸念が強まっている。
商品価格がここまで軒並み高となったのは、世界的な金融危機の初期以来で、その前は1970年代だ。木材、鉄鉱石、銅はいずれも過去最高値を更新。トウモロコシ、大豆、小麦は約8年ぶり高値に上昇した。原油も足元、2年ぶり高値をつけている。
エコノミストは今週発表される物価統計がこうしたトレンドを裏付けると予想している。商品相場高を背景に9日発表の中国生産者物価指数(PPI)は2008年8月以来の高水準になるとみられている。10日発表の5月の米消費者物価指数(CPI)も、労働コストの上昇が押し上げる形で、前年同月比で急上昇すると予想されている。