トルコは米国にとって最も重要な同盟国の一つだ。しかしトルコは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国としてはどの国よりも、米国にとって厄介な国だ。冷戦時代には西洋化の進む世俗国家で、極めて反ソ連的だったトルコは現在、ポピュリストでイスラム主義者の大統領の政権下にある。レジェプ・タイップ・エルドアン大統領は最近、反ユダヤ主義的発言について米バイデン政権から非難された。エルドアン氏は、リビア、シリアからアゼルバイジャンに至る国々に軍事介入しており、欧州の民主主義的価値観から離れつつあるように見える。また、米国の制裁対象になることもいとわずにロシアから武器を購入している。今月中にエルドアン氏と2者会談に臨むジョー・バイデン米大統領は、この重要な2国間関係について、新たな思考回路を作り上げる必要がある。