ひろゆきが「ネットの正義感」について思うことひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
20万部を突破したベストセラー1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。

ネット上で議論は成立しない

――ひろゆきさんは、ネットで絡まれることも多いですよね。どう思っていますか?

ひろゆき氏:他人を攻撃するのって気持ちいいですからね。彼らは大義名分を持っているわけで、自分のために良いことをしていると思っているんですね。そう思うと、かわいいものですよ(笑)。

 彼らは、相手を攻撃することで、ようやく自分のメンタルを保ててるわけですから。自分がマイナスな気分なときにやることは、「自分をプラスにする」か、「相手をもっとマイナスにする」か。その二択ですよね。後者をやっているのが、ネットで絡む人です。

――そこまで相手の気持ちを想像するということですか?

ひろゆき氏:1人1人について考えることはもうありませんけど、「そうか、この人は周りの友達とか恋人と楽しく過ごす時間がないんだな」と一瞬思うくらいですかね。

――ひろゆきさんだから、そう考えられるんじゃないですかね…?

ひろゆき氏:慣れはありますよね。急によくわからない人から絡まれたとして、それがどうしても嫌だと思ったら、ブロックすればいいと思いますよ。相手にしなくていい。どうせ、短い文章では相手を説得することはできませんからね。140字で正確に議論できると思っている人は幻想ですよ。

それぞれの正義があるだけ

――絶対的な正義なんてないということですかね?

ひろゆき氏:そうですよ。相手の思想や信仰の自由があるわけですから、その人が正義だと思ったら正義です。ヒーローもののアニメとか映画を見ると、正義の味方と悪役の敵がわかりやすく存在しますけど、逆から見ると、悪役には悪役の正義があります。

 それを言うと、なかなか受け入れられない人もいるんですけど、要するに「相手の考えを変えることは自分ではどうにもできないことだから諦めよう」ということです。

 あと、客観的な悪については法律が守ってくれますから。たとえ相手にとって正義だとしても、殴ることは許されませんよね。

――正しさを押し付けてくる人もいますよね?

ひろゆき氏:いますね。そういう人の言葉に負けないように、自分の軸を持つことですね。「相手はそう言ってるけど、自分はそうは思わない」とハッキリと自分の意見を持ち続けるのが大事です。

「それって、あなたの感想ですよね?」っていう言葉がネタとして一人歩きしていますけど(笑)。でも、これは便利な言葉ですよ。正義を押し付けてくる人に対して盾になりますから。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、20万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。