かつて不透明な存在だった米連邦準備制度理事会(FRB)の金利調整ファシリティーに5000億ドル(約54兆7100億円)近い資金が連日流れ込んでいる。だが、FRBの金融調整を担当するニューヨーク連銀は何ら心配していないようだ。
この「リバースレポファシリティー」にはここ数週間、オペ参加を認められたマネー・マーケット・ファンド(MMF)や銀行、政府系住宅金融機関(GSE)などから大量のマネーが流入している。
連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え、7日に実施された翌日物リバースレポオペでは、取引額が4860億ドルと、過去最高に達した。過去最高はここ数週間で2度目だ。リバースレポが前回ピークをつけたのは2015年終盤で、取引額は4760億ドルだった。
市場参加者の多くは、足元のリバースレポの動向を巡り、一抹の不安を覚えている。金融機関が喜んでゼロ金利でFRBに資金を預け入れるのは、他に資金を置いておく先が限られていることが一因だ。一部では、短期的に資金を投じるのにコストが生じるものさえあり、リバースレポは金利ゼロでも相対的な妙味を提供する。
ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は3日、ヤフーファイナンスとの動画インタビューで、リバースレポについて「まさに狙い通りの機能を果たしている」と述べている。その上で「極めて順調に機能しており、銀行システムと翌日物リバースレポの間を資金が行き来しているという状況は、(短期金融市場に流通するマネーの水準を踏まえれば)想定内の出来事だ」との考えを示した。