5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?#13Photo:dpa/JIJI

海運大手3社は、運賃市況の変動や地政学リスクといった荒波に翻弄されながらも、巨額の利益を稼いでいる。今回は商船三井、川崎汽船、日本郵船を取り上げる。高水準の給与を誇る3社の中で、世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#13では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内のランクを独自試算した。その結果、海運3社はシニア世代が共通して割を食う構図が浮かび上がった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

市況の荒波でも稼ぐ海運3社
それでも世代間の損得は割れる

 海運大手3社といえば、商船三井、川崎汽船、日本郵船である。海運大手は、好不況の振れ幅が極めて大きい業界に身を置きながら、なお高収益を維持している。

 もっとも、足元の環境は盤石ではない。商船三井は自動車輸送の堅調な荷動きや原油船の市況改善を背景に、2026年3月期の純利益見通しを2000億円へ上方修正した。とはいえ前期比では53%の減益予想である。新造船の供給増で運賃が下落する懸念も強い。

 日本郵船も米政権による自動車運搬船への入港料徴収が1年延期されたことで、自動車船事業が上向き、経常利益予想を1950億円に引き上げている。しかし、純利益は前回予想を据え置いた。

 川崎汽船も純利益見通しを1150億円に上方修正したが、本業ではコンテナ船の運賃下落や自動車船の苦戦が響き、経常利益予想は据え置いた。

 足元では、イランの報復攻撃によるホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、3社とも同海峡の航行停止に追い込まれている。3月11日にはペルシャ湾内で停泊していた商船三井所有のコンテナ船が損傷する事態も発生しており、海運各社は常に深刻な地政学リスクと隣り合わせの状況にある。

 業績が高水準でも、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」で、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。

 今回は商船三井、川崎汽船、日本郵船を取り上げる。いずれも平均年間給与が1000万円を超えており、日本企業の中でも特に高給の企業として知られている。

 3社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか?ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内の年収ランク」の推移を独自に試算した。

 対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60代と70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。

 試算の結果、商船三井、川崎汽船、日本郵船はいずれもシニア世代が共通して割を食っていた。ただし、各社の「勝ち組」は異なる。商船三井と日本郵船は若手優位となったが、川崎汽船は意外な世代が1位となった。次ページでその詳細を確認しよう。