新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う規制が解かれつつある米国で、過去3カ月間に相次いで銃乱射による大量殺人事件が起きており、そのペースは過去最悪に近い。警察当局は、同様の事件がさらに増えることを懸念している。今年の3月から5月に4人以上が公共の場で殺害された銃乱射事件は5件に上る。2人の犯罪学教授が運営する、銃による大量殺人のデータベース「バイオレンス・プロジェクト」によると、3カ月で5件という件数は1966年の例と並ぶもので、それ以降では最悪だという。バイオレンス・プロジェクトによれば、新型コロナウイルス感染症の全国的大流行と重なる時期には、ほぼ1年間にわたって4人以上が公共の場で銃によって殺害される事件は1件もなかったという。その後、3月16日に21歳の男がアトランタ近郊のスパで銃を乱射し、8人を殺害した。これに続いて、コロラド州のスーパーマーケット、カリフォルニア州南部のオフィスビル、インディアナポリスのフェデックスの施設、カリフォルニア州サンノゼの鉄道車両基地で乱射事件が起きた。この5件の事件で39人が殺害された。
米国の銃乱射殺人、急増で史上最悪ペース
3~5月に39人が犠牲に、コロナ禍の制限緩和やストレス、銃購入増加が要因か
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