昨年は全世界的に債務水準が高まったが、政府と民間部門の負担割合は国によって大きく異なる。「債務負担の割合がもう少し違っていたら」と悔やむ国もあるかもしれない。国際決済銀行(BIS)が7日公表した統計によると、タイ、中国、マレーシア、韓国、ロシアなど新興国市場に分類されるいくつかの国では2020年、民間非金融部門の債務の対国内総生産(GDP)比率が10ポイント以上上昇した。一部の国では、GDPの急激な減少が債務比率拡大の原因として大きく作用しているものの、結果は同じことだ。経済生産に対して民間債務が増えていることに変わりはない。新興国は先進国に比べ、総じて政府債務の増加が限定的だった。ほとんどの国は、通貨価値の下落やインフレ圧力の発生を心配することなく国家支出を急速に拡大できる米国や英国、日本のような立場にない。また、政府が債務を増やすこともできたが、それを選択しなかったケースもある。