個人向け国債10年物は変動金利で元本保証

 個人向け国債10年物は、半年ごとに金利を受け取ることができ、10年たつと元本が償還される。普通の国債との最大の違いは、半年ごとに適用される利率が、その時々の市場金利を反映したものとなる点だ(https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/main/outline/hendou/)。

「今後半年間の金利は、現在の長期金利(10年物の普通の国債の利回りのこと、以下同様)の0.66倍で計算し、半年後に支払います。ただし、長期金利の0.66倍が0.05%を下回る場合には、0.05%で計算します」ということになる。

 インフレにならなくても元本が保証されるので安心だ。そして、インフレになると中央銀行が金融を引き締めるので金利が上がり、10年物国債の所有者は、多くの金利が受け取れることになる。インフレ率と金利は密接に関連しているので、これはインフレのリスクに対応した心強い商品だといえるであろう。

 しかも、適用されるのが短期金利ではなく、長期金利の0.66倍という点も、魅力的だ。短期金利が上昇するという予想が広まると、実際には短期金利が上がっていないのに長期金利は上昇する。

 つまり、世の中の人々が金利上昇を予想するだけで、10年物の所有者は高い金利が受け取れるのである。

 日本銀行のゼロ金利政策(実際にはマイナス金利)は、当分の間続くことになろうが、いつかは終わるはずだ。それを人々が予想した時点で、人々より早く、高い金利が受け取れるのだから、魅力的だといえるだろう。

 ちなみに、0.66倍という数字を気にする必要はないだろう。長期金利は短期金利より高いことが多いので、10年間の平均で見れば、0.66倍されても短期金利に割負ける可能性は大きくないと思われるからだ。

 なお途中で資金が必要になったら、換金できる。その際、直近2回分の利子を返還しなくてはならないが、損をするわけではないので安心だ。

 購入後1年は換金できないことには注意が必要だが、毎年少しずつ購入する、といった工夫をすれば特に困らないはずだ。