サラリーマンと比べると、自営業者は退職金もないし、公的年金も見劣りするので、元気な間は長く働くことはもちろん、若い時から老後資金対策をしっかり行うことが重要である。(経済評論家 塚崎公義)
自営業者の公的年金は1階部分のみ
年金制度は3階建てで、そのうち1階部分(国民年金)と2階部分(厚生年金)が公的年金、3階部分が私的年金である。
サラリーマン(サラリーウーマンや公務員等を含む、以下同様)は1階と2階が受け取れるので、標準的なサラリーマンと専業主婦は2人合計で月額22万円ほどの公的年金が受け取れる。
しかし自営業者は1階部分のみなので、40年間国民年金保険料を払い続けても、老後の年金は夫婦合計で13万円程度にしかならない。
加えて、多くのサラリーマンが受け取るであろう退職金も、当然ながら自営業者にはない。
ここで重要なことは、13万円の年金も、現役時代にしっかり年金保険料を払っておかないと金額が少なくなったり受け取れなかったりするということだ。
サラリーマンは、年金保険料が給料から天引きされるので未払いの可能性は低いだろうが、自営業者は自分で保険料を払わなくてはいけないので、未納にならないようにしっかり払う必要があろう。
未納分があれば、60歳を過ぎても国民年金に任意加入するなどして、できるだけ保険料をしっかり払っておく必要がある。