メルマガ発行数は3倍なのに、
売上は1.3倍のワケ

 eコマース市場は2000年前後に日本に登場した。

 そもそもネットでモノを買う人が少ない時代で、サイトに商品を掲載しておくだけでは売れなかった。いかに興味がない人に興味を持ってもらい、買ってもらうかを業界全体で試行錯誤していた。

 多くの会社がメールマガジン(以下、メルマガ)を発行し、企画やキャンペーンを工夫して売上を上げた。

 たとえば、「発注担当者が50個仕入れるはずなのに、一桁間違って500個仕入れてしまいました。30%引にするのでぜひ買ってください」とメルマガに書く。その真偽はわからないが、イベント的に売れることがあった。

 売れているサイトは毎日何らかの企画を考え、メルマガを発行した。

 私も週1回メルマガを発行していた。頻度としては少ないほうだった。

 そこでメルマガの発行頻度を週1回から週3回に増やした。目新しい商品を仕入れ、セールスポイントを文章化する。

 業務は増加したが、売上増加を期待した。

 だが売上は1.3倍にしかならなかった。メルマガを出す労力は3倍になったのに、売上は1.3倍にしかなっていない。

 このとき、「売上さえ上がればいい」という考え方なら、こうすることもできた。

 週1回 売上1
  ↓
 週3回 売上1.3倍
  ↓
 週7回 売上1.5倍

 実際、この作戦を実施するネット通販は多かった。

 だが、私は効率が悪いと思った。周囲の流れに乗って、次から次へと企画やキャンペーンをやっていたら確かに売上は上がる。

 でも、売上を上げるのにかかる手間やコストが増加して利益は少なくなる。メルマガを出さなくても売れる仕組みを考えないと利益体質にはならない。