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子どもの進学先を考えるタイミングは、何度かやってきます。校区内の教育施設に通うのか、多少遠方でも私立の施設に通うのか、などということです。特に都内などでは、よりよい教育環境、教育内容を考慮し、幼稚園から受験を考える人がいらっしゃいます。子どもの教育を考えて受験をする、私立に通うということ自体は、決して悪くはないのですが、時々、自分たちの将来を見据えることもせず、安易に「子どもにお金をかける」方々を見かけます。「今」はよいのかもしれません。ですが、家計相談を通して「将来」を見ている私は、とても心配でなりません。(家計再生コンサルタント 横山光昭)

老後資金を作りたいが、貯金1600万円が目減りしていく

 「そろそろ老後資金作りをしなくてはいけない」と家計相談に来られたのは、会社員のFさん(47)。専業主婦の妻(46)と小学2年生の息子との3人暮らしです。貯蓄は、運用などはしておらず貯金だけで、1600万円の預貯金を蓄えられていました。これからもためていけると思っていたのですが、昨年から貯金は増えず、むしろ息子の学費で目減りしています。そこで「投資を覚えて貯蓄を増やし、老後資金を準備したい」というのが、家計相談に来られた目的です。

 息子の学費というのは、私立小学校の授業料やその他の費用。4月にある程度まとまった金額を支払い、月々は5万円ほどの支払いですが、年間では100万円ほどかかることになります。月々払いは家計でカバーできていますが、年度初めにかかる40万円ほどは貯金から。それ以外で臨時に必要になる支出も、時折貯金から負担しています。さらに今後は塾にも通わせる予定なので、教育にかかる支出は増える見込みです。