レモンサワー家飲み需要の拡大を背景に各メーカーの「レモンサワー」が好調だ Photo:PIXTA

コロナ禍で“家飲み”需要が拡大する中で、飲料メーカーが手掛ける「レモンサワー」が好調だ。日本コカ・コーラ初のアルコール飲料である「檸檬堂」をはじめ、ヒット商品が相次いでいる。「レモンサワー戦国時代」の実態を見てみよう。(ライター 長浜淳之介)

RTD市場をけん引する
レモンサワー

 コロナ禍において、外出自粛の要請が長期化する中、夜の外食を控えて家でお酒を飲む、“家飲み”需要が増えている。その家飲みのブームをけん引しているのが、レモンサワーだ。それも、「檸檬堂」(日本コカ・コーラ)、「こだわり酒場のレモンサワー」(サントリースピリッツ)に代表される、居酒屋の味に学び、味の再現を目指した、新世代のレモンサワーだ。

 3月2日に、サントリーホールディングスが発表した「RTDに関する消費者飲用実態調査」によれば、2020年のRTD市場は2億5659万ケース(対前年比12%増)と、3年連続で2けた成長し、21年も引き続き成長が見込まれる。特に、レモンRTD(主にレモンサワー)市場が、20年には1億906万ケース(対前年比33%増)と2年連続で対前年比30%を超える成長を記録し、RTD市場をけん引していると報告している。

 なお、RTDとは「Ready to Drink」 の略で、そのまますぐ飲める缶チューハイや缶カクテルのような低アルコール飲料の総称だ。レモンRTDは、レモンフレーバーのRTDである。

 レモンサワー缶は、2018年頃から、「檸檬堂」「こだわり酒場のレモンサワー」などといった新ブランドが相次ぎ登場。こうした「進化形レモンサワー」は、20代~30代の若い世代を中心に人気を博している。