孫の代まで愛される商品・サービスを
――もうひとつの指標「垂直のインパクト」

 ではインパクトの範囲、という観点でもう少し考えてみましょう。今お話しした「水平のインパクト」は、顧客が所属する周囲の環境、いわば平面に広がる範囲の話ですが、これに加えてもう一つ、インパクトの範囲として考えておかなければいけないことがあります。それは、サービスによるインパクトが持続する時間、という視点です。周囲に広がっていく範囲が水平のインパクトだとすると、こちらは「垂直のインパクト」ということになります。

 いろはすの例で考えてみると、地球環境の保全という視点から製品の開発を行っているならば、その製品が生むインパクトは当然のことながら現在の顧客の世代で終わってしまっていいものではありませんよね。できるだけ長い間、インパクトを持続させることが必要になってきます。今いる顧客の子の代、孫の代までも愛され、飲まれ続けるような製品づくりを考える、ということが垂直のインパクトにつながっていくことにほかなりません。

 僕は垂直のインパクトを考えながら製品設計をすることに関しては、日本企業は他国に比べて特に秀でているのではないかと感じています。なぜなら、日本には100年以上続くような企業が、特にものづくりの分野においては多いと聞きますし、多くの企業人とお話しする中で、自社の製品は消費者に長く愛されるものであってほしいと願っている方が多いと感じるからです。

「自分が考えた製品やサービスを使う誰かに、『本当にこれがあってよかった』と幸せになってもらうため」
「その製品・サービスが、受け手と周囲の人たちを、購入した一瞬ではなく長い間ハッピーにすること」

 こうしたもともと皆さんが持っているであろう想いを、製品を考える際にきちんと反映させて設計することが水平・垂直のインパクトを生むことにつながります

 水平、垂直の2つのインパクトを満たす設計のプロセスを通じて顧客にWinを作り、波紋を描くように広がっていくことが、巡り巡って製品を生み出した側にも喜び(Win)となって跳ね返ってくるのではないでしょうか。

「いろはす」は<br />なぜ一気にシェアを拡大できたのか?<br />商品設計に組み込まれた2つのインパクト僕が代表を務めるテーブル・フォー・ツーが作り出している水平と垂直のインパクト。
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※本連載は全6回を予定しています。次回(第4回)は、11月13日(火)に配信予定です。


書店イベントのお知らせ

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刊行記念・書店イベント開催決定!

本連載の著者、小暮真久氏による書店イベントを開催します。
ふるってご参加ください。

<第1弾 ブックファースト新宿店>

日時:2012年11月9日(金)
        19時開演(18時45分会場)20時30分終了予定
会場:ブックファースト新宿店 Fゾーンイベントスペース
定員:40名(先着順)
講演会参加整理券は同書お買上げの先着40名様に配布いたします。参加整理券ご希望の方はブックファースト新宿店地下2Fのビジネス書売り場(Eゾーン)レジカウンターにてお買上げ時に係員にお申し付け下さい。
お問合せ:ブックファースト新宿店 03-5339-7611
http://www.book1st.net/event_fair/event/page1.html#a_512

<第2弾 リブロ池袋本店>

日時:2012年11月15日(木)
        19時開演 20時終了予定
会場:西武池袋本店別館9階池袋コミュニティ・カレッジ 28番教室
定員:50名(先着順)
講演会参加整理券は同書お買上げの先着50名様に配布いたします。参加整理券ご希望の方はリブロ池袋本店別館地下1階ビジネス書売場レジにてお買上げ時に係員にお申し付け下さい。
お問合せ:リブロ池袋本店 03-5949-2931
http://www.libro.jp/news/archive/002933.php?fb_action_ids=375294482553562&fb_action_types=og.likes&fb_source=aggregation&fb_aggregation_id=288381481237582

<第3弾 紀伊國屋書店新宿南店>

日時:2012年11月29日(木)
        19時開演 19時45分終了予定
会場:紀伊國屋書店新宿南店 3Fイベントエリア「ふらっとすぽっと」
※〈ふらっとすぽっと〉でのライブトークは予約不要です。その他詳細はこちら↓
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Shinjuku-South-Store/20121025123000.html


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