約20年ぶりにアルツハイマー病治療薬が承認されたことに対し、当然ながらウォール街は歓喜している。過去にもあったような脅威が再び出現する可能性はあるが、投資家が不意を突かれることはないだろう。米食品医薬品局(FDA)は7日、米バイオジェンの治療薬「アデュヘルム(一般名はアデュカヌマブ)」を承認した。今回の承認をめぐっては大きな議論が起きている。FDAが設置した外部の諮問委員会は昨年、この新薬を承認しないよう勧告していた。承認の決定を受けて3人の委員が辞任しており、元委員の一人は「大失敗」だと指摘している。騒動にもかかわらず、株価は上昇している。バイオジェンの株価は承認を受けたその日に38%の大幅高となり、同業他社もそれに追随している。同様のアルツハイマー病治療薬を開発中のイーライリリーは7日、10%高となった。ナスダック・バイオテクノロジー指数(NBI)は週ベースで6%上昇した。