2020年に急速に広まったオンラインでのコミュニケーション。今後、新型コロナウイルスが収束した後も、オンラインコミュニケーションは活用されていくことでしょう。最初の出会いがオンラインから始まる場合、その後リアルに会ってもらえるか、あるいはそのチャンスも得られないで終わるか、ビジネスにおける人との出会いは今後二極化していきそうです。ニューノーマルに必要なオンラインコミュニケーションのスキルについて、ポイントを3点に絞ってお伝えします。(カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役・代表講師、産業カウンセラー 片桐あい)
ポイントその1
セミナーや大勢の会議でもリアクションを返す
この1年、従来はリアルで実施していたセミナーや研修をほぼ全てオンラインに切り替えて実施しました。そこで成功するかどうかの大きな要因に、「画面越しでも参加者がリアクションをしてくれるかどうか」があります。
参加者の中には、悪気はないながら無防備な様子で参加して大あくびをする、無意識に画面をにらみつけているような怖い表情をするなど、さまざまな参加者がいます。本人には見られている意識が全くなく、自分の姿を画面で確認できていない可能性もあります。しかし、運営する側は少しでも参加者の様子から反応を読み取り、できるだけ理解が得られるように話す内容を調整しています。ですから、相手が無反応だったり、集中して聞いてもらっていない状況だと、伝えたいことを一方的に伝えて終わりになったりしてしまいます。逆に、参加者の反応がよければ、もっといろいろな情報を伝えられたり、相手の疑問を解消したりすることもできます。
つまり、参加者が話し手に大きな影響を与えていることになります。これはリアルのセミナーや研修でも同じことがいえるのですが、リアルであればある程度周囲の目を気にして緊張感もありますし、話し手の視線を感じれば何かしらの反応も返すことができます。ところが、オンラインになると、こうした気配りがなくなってしまうという人が少なくないのです。