最初の緊急事態宣言が発出されてから約1年。テレワークでのノウハウがたまり、「テレワークでも意外とイケる」と思っている方も、「テレワークではやっぱりダメだ……」と思った方もいることでしょう。業種・業態により、リモートで仕事ができる場合とそうではない場合もあると思います。しかし、テレワークでは成果がうまく出ない事例を分析してみると、3つの思考パターンが浮き彫りになりました。今回は、どんな思考パターンだとうまくいかないのか、そして、悪い思考パターンを打ち破るために意識するとよい考え方や、同僚・部下への伝え方をお伝えします。(カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役・代表講師、産業カウンセラー 片桐あい)
残念な思考パターン(1)
できない理由を探す
テレワークで成果が出ない、残念な思考パターンの一つ目は、テレワーク導入や新しいビジネスの提案などについて「できない」理由を探すことです。人は誰しも新しいものへの抵抗や恐れがあります。経験があればあるほど、その思考になりがちなのは分かります。しかも今のご時世、できない理由を探すのは簡単です。
例えば、テレワーク実施率を7割にしようという組織の目標が与えられたとします。「オンラインではコミュニケーションが難しい」「業界的にも厳しい」「環境を整えるにはコストがかかる」「お客様が許してくれない」などなど、できない理由を挙げたらきりがありません。しかし、その理由を挙げたところで、組織の目標が変わるわけではありません。どうしたら少しでもその目標値に近づけることができるのか、前向きに考え、アイデアを出していくことが大切なのです。
もっともらしい理由をつけて行動しないでいることは、自分の評価と組織の士気を下げる上、周囲があなたに“扱いにくい人”というレッテルを貼るかもしれません。できない理由を探すことが無意識のうちに思考のクセになっていないかどうか、立ち止まり振り返ってみてください。