日本政府が酒の提供制限にこだわり、「1兆の損より10兆の損」を選ぶ謎写真はイメージです Photo:PIXTA

政府を信じると損をする
帰宅ラッシュの“国鉄”での原体験

 わたしが政府を信じなくなった原体験の話をします。

 昔、深夜残業でくたくたになって帰宅しようとしたら、山手線が人身事故でダイヤが乱れていたことがありました。渋谷駅で乗ろうとした電車はぎゅうぎゅう詰め状態で、それでも早く帰りたいので入り口付近で体を斜めにしながらも必死に乗り込んでいたのです。

 すると駅のアナウンスがあって、「次の電車がすぐ近くまで来ています。ドア付近の方はいったん降りて、次の電車にお乗りください」というのです。

 くたくただったのでアナウンスに従い、ホームに降りて次の電車を待つことにしました。目視で乗車率200%の電車を見送ったところ、すぐにまたアナウンスがありました。

「ただいま事故でダイヤがたいへん乱れております。次の電車はいま、大崎駅で待機しております」

 東京在住以外の方のために補足すると、最初のアナウンスではあたかも渋谷駅の手前でホームが空くのを待っており、すぐに渋谷駅に到着するかのごとく説明していた後続車両は、実際は4駅も向こうでホームに待機していたわけです。

 15分以上待ってようやく次の電車が来る頃には、深夜の渋谷駅のホームはまた、すし詰め状態。さんざん待たされた揚げ句に、先ほど以上のぎゅうぎゅう詰めの電車に乗って帰宅することになりました。

 そのとき、「これが国のやり口だ」と心の中で思ったものです。若い読者の方はご存じではないかもしれませんが、わたしが新入社員だった当時の山手線は、準国家公務員が運営する“国鉄”でした。

 低レベルな体験談ですみません。でもこの低レベルさ、どこかでデジャブのように思い出したりしませんか?