五輪開催に“急ブレーキ”
尾身分科会会長発言の波紋広がる
新型コロナウイルス対策で政府の方針がしょっちゅうぶれているというのは、感染「第1波」が本格化した昨年3月頃からずっと言われてきたが、このところ、政府と政府の新型コロナ感染症対策分科会との関係がちぐはぐになっているのが目立つ。
今回の3回目の緊急事態宣言やまん延防止措置の実施時期や地域については、当初できるだけ短い期間、狭い地域に限定しようとする政府と、変異株の危険を強調してより厳しい措置にしようとする分科会の対立が見られたが、最後は政府は分科会に「丸投げ」した。
しかし、東京オリンピック・パラリンピック開催の是非や規模をめぐって、尾身茂会長をはじめ分科会が否定的な意見を表明しているのを、閣僚らは聞き入れない姿勢で事実上、無視している。
メディアの一部やネットでは、「尾身会長の言うことを聞かない政府は、戦前の政府と同じ道を歩んでいる」といった政府批判も聞かれる。
どうしてこうしたことになっているのか。大本の根っこは一つだ。