FOMCは2023年末までに
2回の利上げを示唆

 6月15、16日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)で公表された経済見通しでは、2023年末時点の政策金利見通しが、2回の利上げに引き上げられた。また、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、債券買い入れペースの鈍化(いわゆるテーパリング)について、近いうちに検討を開始すると発言した。

 両者の結果は、一部報道機関が取りまとめたエコノミストらのコンセンサスに近かったものの、市場参加者の事前予想に比べタカ派的な内容といえた。このため、米中長期金利とドルは、結果判明後に大きく上昇した。

 もっとも、今回の米国の金融引き締め局面では、バーナンキ前FRB議長の発言(2013年5月)で始まった前回の引き締め局面ほどには、ドルは独歩高になりにくいとみられる。