物価上昇Photo:sefa ozel/gettyimages

米消費者物価急騰で注目
“需要超過圧力”続ける政策

 財政・金融政策で需要と労働需給に圧力をかけ続けて成長と適度な物価上昇を目指す「高圧経済」政策が、コロナ後の経済政策として注目を集めている。

“本家”の米国ではコロナ対策やインフラ投資などによる「米国雇用計画」などの大型財政刺激策が打ち出され、10日に公表された5月の消費者物価指数(総合CPI)が前年同月比5.0%と約13年ぶりの大幅な伸びに。インフレの強まりが一段と明確になった。
 
 日本でもこの考え方を下敷きにしたような新たな産業戦略が4日に公表された。主要国が先端分野などへの戦略的な大規模財政支出で成長力を高める競争が始まるなかで、産業政策とマクロ政策を一体化した成長戦略を進めるものだ。

 少々のインフレに目をつぶっても需要超過の圧力をかけ続けるという大胆な政策が、先進国で長く続いてきた「低成長低インフレ」や格差拡大などの課題を解決する“魔法の杖”となるのかどうか。