現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
24万部を突破したベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。
利益か、社員か?
――利益と社員、どっちを大事にする経営者であるべきですか?
ひろゆき氏:僕は、究極はどちらでもいいと思っていて、経営者は明確に「これが大事です」と意思表明することだと思います。
「ウチは利益を優先します。だから、会社はどんどん大きくしていきます。その代わり、使えない人はどんどん置いていかれることになります」
「ウチは社員を大事にします。だから、会社を大きくすることはしません。無能な人でも働いてOKです。その代わり、高い給料は出せませんが、楽しく働けるでしょう」
と、それぞれポジションをハッキリさせれば、働く人にとってミスマッチが起こらないですよね。
――世の中ではミスマッチが起こっていると思いますか?
ひろゆき氏:はい。「社員を大事にします」と言いながら、ガンガン成長戦略をとっていたら、やがてリストラする結末になりますよね。社員のほうも、雇用を守ってほしいと思いながら、組合などを通して賃上げとかボーナスを要求しますよね。すごくチグハグなことやってるなと思って見てますけど。
無能な人でも働ける環境
――ひろゆきさんの場合はどちらですか?
ひろゆき氏:僕は断然、「社員」ですね。僕が取締役に入っている会社に、すごく無能な役員がいるんですよね。どれくらい無能かというと、言われたことができない。すぐに忘れる。忘れないように手にマジックでメモをするのに、それが水性マジックで消えてしまうという。
でも、おもしろくて憎めないキャラクターなんですよね。だから、会社ではこの人を「飼ってあげよう」という思いで居てもらっています。
――辞めさせようとする人はいないんですね?
ひろゆき氏:もし利益を優先する環境なら、こういう人にいてもらっては困りますよね。でも、会社全体も社員も利益のことを考えないようにしているから、「まあ、いいよね」となっているわけです。失敗したところで、「またやってるよ(笑)」と笑って許せます。
どちらがよいかは価値観なので、会社も個人も、ちゃんと意思表明するとよいのではないでしょうか。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、20万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。