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現場を混乱させるクレーマーたち

 ここのところ毎日、新型コロナウイルスワクチンの話がニュースや身の回りで大きな話題になっています。ワクチン接種の申し込みを受ける役所や、接種会場などでよく見聞きするのが、「接種ができずに感染したら責任を取れるのか!」「孫に会えないのはお前のせいだ!」などとキレる人たち。こうしたクレーマーへの対応に疲弊し、ストレスで心が折れてしまう職員が全国で発生しています。

 納得できないことがあると毒を吐き、現場をマヒさせるモンスタークレーマー。なかでも、シルバー世代のクレーマーは、正論で世の中を正そうとする傾向があるようです。よく言えば豊富な人生経験に基づいた説得力があり、悪く言えば頑固で理不尽な言い分の中には、「おっしゃる通り」の部分もあるため、対応は面倒で厄介な作業となり、現場のマンパワーを低下させます。

 対応する側の医療・行政やコールセンターの職員は、基本的にみな真面目。一生懸命対応しようとしますが、納得させることは非常に困難なのが現実です。コロナ禍時代の特徴として、「誠実で心優しい人」ほど心をやられる(心が折れる)時代がやってきたともいえるのです。

 クレーマーに突然怒鳴りつけられた職員はどうすることもできません。萎縮し、泣きそうになりながら、ひたすら謝罪を繰り返すのみ……。ワクチン接種の現場で対応する(医療・行政)職員にとってはあまり想像したくない、クレーム対応の現実です。
 
 しかし、長く続くコロナ禍で日頃から不満をためている人が増え、ちょっとしたことで爆発しやすくなっている今は、こうしたクレーマーに遭遇し、トラブルに巻き込まれる可能性が高まっています。いつ何時、あなたに降りかかるかわかりません。