債券市場は、気まぐれな株式市場が慌てふためく中でも、冷静沈着ない兄貴分的な存在なはずだ。だがここ1週間は、そうでもなさそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派色をやや強めたことに対して、債券市場は落ち着いて対応するどころか、米10年債利回りはまず数カ月ぶりの大幅上昇で反応し、その後急速に上げ幅を縮めた。21日の取引では、アジア時間に2月以来の水準に急低下したが、その後は再び跳ね上がった。こうした債券市場の動きは、FRBの意図や新型コロナウイルス後の景気回復の力強さに関して、投資家が混乱している実態を映し出している。また、安全な利回りを死に物狂いで求める異常なまでの動きも浮き彫りにする。株式投資家が過度に慢心する以前は、債券市場のボラティリティーも、株式相場の水面下にある同じような変動に似ていた。
FRBの真意読めず困惑? 市場も混乱のさなか
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