「保障」「出張」「裏をかく」……じつは戦場で使われていた言葉だということをご存じでしょうか? 武器や戦いにまつわる15の言葉を、由来や語源から見ていきましょう。現在2021年7月号が発売中の朝日新聞出版『みんなの漢字』から紹介。※監修・久保裕之(立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所)
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「狼煙」
→狼の糞を燃やすと、煙がまっすぐ上がる
語源は「のろ」が「野良」で、「し」は気または火といわれています。中国では古くから、燃やすものに狼の糞を混ぜると、風が強いときでも煙がまっすぐに上がるといわれ、「狼煙」の字が用いられていたことから、日本語の「のろし」に当てられました。中世以前は「烽火(とぶひ)」とよばれており、「のろし」に「烽火」の字を当てることもあります。