匙を投げる今も昔も特効薬をつくるのは容易ではない(イラスト/桔川伸)

 医療やからだにまつわる言葉には、意外な由来をもつものが数多くあります。中国や西洋の言葉を転用した漢字も少なくありません。何かと健康に関する話題が増えた昨今。「この漢字ってじつはね……」と話してみるのも一興かもしれません。

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1.看病
~仏僧が病人のために加持祈祷する意味だった

「病気の人の世話をする」という意味で用いられるのが一般的ですが、もともとの意味は仏教において「僧が病人のために加持祈祷すること」です。奈良時代には、宮中で病気平癒を祈る「看病禅師」とよばれる僧がいたのだといいます。「看」の字は「手」と「目」の組み合わせで、「遠くを見る」「しげしげと見る」という意味があり、中国では現在も「医者に病気を診てもらう」というときに「看病」が使われています。