CAが出会ったコミュ力の高い乗客写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナ禍でオンラインでのやりとりが急速に普及しましたが、オンラインであれ対面であれ、手段は変わってもコミュニケーションの第一歩は人との対話です。まずは「会話」からすべてが始まりますが、普段の何気ない会話にも、その人の人間性や品位が表れます。私はJALの国際線チーフパーサーとして働いてきましたが、「会話力」があると思った乗客は必ず押さえているポイントがありました。(CCI代表取締役・元国際線チーフパーサー 山本洋子)

「会話」における品位の基本は「言葉遣い」から

「会話」といっても、相手が初対面なのか何度も会ったことのある人なのか、近い関係なのかそれほどでもないのかなど、相手との関係性で選ぶ言葉も話す話題も異なります。

 プライベートで親しい友人と会話するときはいいのですが、ビジネス上のオフィシャルな場面においてまず大切なのは、相手がどんな間柄であろうと基本的には丁寧語を使うことです。

 よくありがちなのが、相手の興味を引こうと、極端に砕けた言葉遣いをする人が見受けられます。その場の緊張はほぐれるかもしれませんが、相手によっては無礼で失礼な人と受け取られてしまうことがあります。特に初対面の相手に第一印象でそのような印象を持たれてしまうと、その印象を払拭するのはとても困難です。それだけで、ビジネスパーソンとしての品位が失われてしまうことになりかねません。まずは、普段の言葉遣いを見直してみましょう。

 言葉遣いが丁寧だと、初対面で「この人、苦手!」と思われる確率は下がります。最初に持たれた悪い印象はビジネスにとって悪影響でしかありません。

 基本的なことを言えば、「うん」や「ええ」ではなく、「はい」と返事をすること。そして、きちんと「です」「ます」で話すなど丁寧な言葉遣いを徹底することが重要です。

 丁寧な言葉遣いはビジネスマナーの一つです。これは、他者への思いやりだけではなく、自分の身を守る術でもあります。言葉遣いに気をつけるだけで、一気に品位ある人に感じられますし、こんなに簡単にできるマナーはありません。