香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)編集局で22年間の勤務を終えたノーマン・チョイ氏は、最後の出社日となった23日、中国当局の言論弾圧の犠牲となって廃刊に至った経緯を記した記事を処理しながら、まるで追悼記事のエディターになったような気分だったと話す。「香港から蘋果日報が消えるのは、香港が自らの声を失ったからだ」。チョイ氏は民主主義や人権への希望を与え、支配を強める中国当局に立ち向かってきたからこそ、読者から愛されたのだと話す。「政府はこうした声にもう耳を傾けたくないから、われわれを廃刊に追い込む必要があった」24日付の紙面を最後に廃刊すると発表したことで、締め切りまでの数時間は、蘋果日報の編集局自体がストーリーとなった。政府は資金を凍結するとともに、「国家安全維持法(国安法)」に基づき幹部の逮捕に踏み切り、同紙を廃刊に追い込んだ。
蘋果日報最後の日、市民も涙 「また会う日まで」
最終号を求める市民の長い列と声を失ったことへの嘆き
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