「同プロジェクトのキャッチコピーは、『なんでもない日も ケーキがあれば特別な日になる』です。なんの変哲もない日でも、不二家のケーキを購入することで特別な日にしてほしい、という願いが込められています」

 日々のささやかなご褒美や、落ち込んだ日に自分を励ますアイテムとして、スイーツを購入する人は多い。「Smile Switch」プロジェクトのキャッチフレーズが、スイーツを買う理由がない日でも、購買意欲を刺激するわけだ。

「また、『Snow Manがきっかけで不二家のケーキを食べたけど、こんなにおいしいんだ』と、そのおいしさに感動してくださり、リピーターになる人も多いです」

新業態の企画を担うのは
社内横断の若手チーム

 SNS映えするような商品デザインや店舗の外装を考えたり、若者から支持を集めるアイドルをブランドキャラクターに起用したりと、不二家は若者をターゲットにしたプロモーションに注力してきた。新業態の店舗オープンは、若者向けプロモーションの一環でもあるわけだ。

「これらの企画は、社内の部署を横断して立ち上げられた『若手チーム』が軸となって進めています。これまで、他部署の人間と共同で企画を進めるという取り組みはありませんでした。しかし、部署の垣根を越え、若手だけのチームを作ることで、我々ベテラン社員では浮かばないアイデアが生まれ、そのアイデアを会社が取り入れることで『Smile Switch』につなげたのです。若い社員が活躍することで、会社全体の活性化にもつながっていると感じています」

 若手チームに配属される20~30代前半の社員たちの活躍により、同世代の心に刺さる企画が次々に誕生するというわけだ。