攻守どちらにも振ることのできる物件の魅力が、
次の優良な買い主を惹きつけた

 のちにケース・スタディで紹介する国際学生寮は教育サービス付き国際学生寮で、家賃に加えて英語学習や海外留学のための支援サービス費用、コミュニティ運営費用が付加価値要素となっている。

 または、神楽坂のケースで見ていただいたように、「住めて、リモートワークができて、民泊で貸し出せる」柔軟性のあるプランも、昨今の生活ニーズから、住み手がこういった生活をしたいのではないか? という仮説からファイナル・ユーザーを創造している。

 おかげで、神楽坂の平均的な家賃よりも25%程度高い家賃でのリースが実現し、また売却時にも、用途変更が自由に可能だ。

 購入時に建物用途が自由に選べることで民泊やシェアオフィスなどの攻め込んだ運用もできれば、安定稼働のファミリー賃貸用途にも戻せる。

 結果的に、攻守どちらにも振ることのできる物件の魅力が、次の優良な買い主を惹きつけた事例だ。

上田真路(うえた・まさみち)
建築家・不動産投資家
KUROFUNE Design Holdings Inc. 代表取締役CEO
ハーバード大学デザイン大学院で不動産投資と建築デザインを学び、投資理論とデザインの力を融合させたユニークな不動産投資を行う。
鹿島建設入社4年目に不動産投資を開始。数々の不動産投資セミナーに足を運び、不動産関連書籍を数十冊読破。そんな中で出会ったメガ大家集団をメンターに持ち、指導を仰ぎながら不動産投資をスタートする。最初に行った東京・神楽坂での新築マンション開発では超狭小地に苦労し、辛酸を舐めつつも独自の不動産投資スタイルを確立する。現在5棟の超優良物件を保有。保有物件の中では投資額が4年間のうちに26倍になったものもある。
1982年高知県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、同大学院卒業後に鹿島建設入社。
大学院卒業時にリゾートホテル開発プロジェクトにより早稲田大学小野梓芸術賞を受賞。
同社では国内外で建築設計や大規模な都市開発業務に従事。鹿島建設社長賞、グッドデザイン賞、SDレビュー賞などを受賞。2016年、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)へフルブライト留学。2018年、GSD不動産デザイン学科を卒業、外資系不動産ファンドでの投資業務を経験した後、KUROFUNE Design Holdings Inc.(デザイン事務所兼不動産ファンド会社)を創業し独立。現在はハーバード学生寮生活で得た原体験をもとに、住まいと学びを融合させた国際学生寮「U Share」を開発運営する。また、慶應義塾大学SFC特任講師、早稲田大学特任講師として「不動産デザイン」について教えている。初の著書に『ハーバード式不動産投資術 資産26倍を可能にする世界最高峰のノウハウ』(ダイヤモンド社)がある。