どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化した『ハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売されました。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読です。好評連載のバックナンバーはこちらからどうぞ。
旗竿地の奥まった場所にある二世帯住宅
築37年の旧耐震物件
次に相続による、または既に手持ちの物件の収益向上を図る方法を見てみたい。相続のタイミングでは、アルファを創造できる瞬間が多いということを理解していただくために、少し逆説的な事例だが、とある南青山の物件を取得したときのストーリーを紹介したい。
この物件は南青山の閑静な住宅地にあり、いわゆる旗竿地の奥まった2世帯住宅だった。立派な日本庭園があり、建物も鉄筋コンクリート造2階建ての延床面積100坪ほどの立派な建物だ。
ただし築年数はすでに37年で旧耐震物件。庭園の手入れや老朽化する設備などのメンテナンスコスト、固定資産税などの支払いが元オーナーの負担となっていた。
相続のタイミングで現金化して、相続人の兄弟はタワーマンションを購入したほうがよいということになり、長い間売りに出ていた物件だった。そう、活用方法が一見かなり難しいのだ。
しかし、次のケースのように建物内装をスケルトン(骨組)まで解体して賃貸併用住宅とすることで、劇的に活用方法の幅が広がる。