米議会下院は29日、南北戦争時の南部連合(南軍)関係者など、奴隷制や白人至上主義を提唱した人物の銅像について、連邦議会議事堂における公の場から撤去する法案を賛成285、反対120で可決した。米国では約1年前のジョージ・フロイドさん殺害事件以降、学校や警察など米国の機関や社会での人種差別が根強いことを巡る議論が続いている。法案は上院へ送付されるが、見通しは不透明となっている。法案の取りまとめに参加したステニー・ホイヤー下院院内総務(民主、メリーランド州)は、「議事堂のホールに奴隷制、扇動、人種差別の象徴を置く場はない」と述べていた。共和党議員の一部は法案が誤った内容だと述べ反発していた。マット・ローゼンデール下院議員(共和、モンタナ州)は「次は西部開拓者、そしてジョージ・ワシントンが対象になることは間違いない」と述べ、法案に反対票を投じるとしていた。