コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は証券業界の主要3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
野村HDは4割弱の減収
SBIHDは100%超増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の証券業界3社。対象期間は21年1~3月期の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・野村ホールディングス
増収率:マイナス38.3%(四半期の収益2280億円)
・大和証券グループ本社
増収率:4.2%(四半期の営業収益1674億円)
・SBIホールディングス
増収率:115.9%(四半期の収益1789億円)
証券業界最大手の野村ホールディングスと新興勢力であるSBIホールディングスの間で、明暗がくっきりと分かれた。次ページからは詳細の数字とともに、その要因を解説する。