コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はフィンテック業界の2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
フリー、マネフォは4割超増収!
“勝ち組”フィンテック企業の現在地
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のフィンテック業界2社。対象期間は20年12月~21年3月の直近四半期(マネーフォワードは20年12月~21年2月期、フリーは21年1~3月期)。
各社の増収率は以下の通りだった。
・フリー
増収率:48.2%(四半期の売上高27億円)
・マネーフォワード
増収率:44.8%(四半期の売上高35億円)
2社とも非常に高い増収率をたたき出しているが、その理由は「新興企業だから」という単純なものだけではない。この数字の裏には、雪だるま式に売上高が膨らんでいく2社のビジネスモデルの特徴がある。次ページからは詳細の数字とともに、その要因を解説する。