銀行・証券断末魔番外編(上)

「銀行・証券断末魔」特集(全5回)の番外編を上・下に分けてお届けする。テーマは、銀行業界においてその存在感が増す一方となっている、金融とITを融合させたフィンテック。今回の番外編(上)で取り上げるのは、freee、マネーフォワード、そしてLINE。旧態依然としていたレガシー産業において、新たなフロンティアを生み出そうとするフィンテック企業の男たちの苦闘を追った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

銀行がカバーし切れない預金・決済・融資機能
フィンテックで新事業を切り開く者たち

 預金、決済(送金)、融資(審査)――。こういった機能を独占的に握ることで、銀行は長らく経済の中枢を担ってきた。だが、この独占的な立場が、規制緩和で崩れつつある。

 また、この三つの基本機能のうち、これまで銀行の高コスト構造、マンパワーの制約から、経済的に見合わないとして銀行が事業化を見送ってきた新しい領域を、新興企業が金融とITを融合させた「フィンテック」を使って切り開こうとしている。

 新たなフロンティアを求める挑戦者たちの苦闘を追った。