中国の規制当局は、ライドシェア大手の滴滴出行(ディディ)が米国市場に上場する数週間前の段階で、新規株式公開(IPO)を延期し、ネットワークの安全性について社内で入念な調査を実施すべきとの方針を同社に伝えていた。事情に詳しい複数の関係筋が明らかにした。だが、滴滴にとって延期は困難な選択肢だった。当局がIPO中止を命じるまでは踏み込まなかったことで、同社は上場を決行した。滴滴は有力ベンチャー投資家から数十億ドルを調達して以降、早期に上場するよう投資家からの圧力に直面しており、6月に上場に向けたロードショー(投資家向け説明会)を数日で切り上げていた。中国企業は通常、これよりも長い時間をかけて投資家に売り込むことが多い。滴滴はニューヨーク証券取引所への上場で約44億ドル(約4900億円)を調達。中国企業としては、2014年のアリババグループ以来の大型上場を果たした。
中国・滴滴、当局の懸念押し切って米上場を強行
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