米国の現代史上最も大きな富の移転が始まった。  米国のベビーブーム世代以上の高齢者は、数十年にわたり莫大(ばくだい)な資金を蓄えてきた。米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、2021年第1四半期(1-3月期)末時点で、70歳以上の米国人の純資産は35兆ドル(約3900兆円)近くに達している。これは、米国の全純資産の27%に相当し、30年前の20%から増加している。また、対米国内総生産(GDP)比では157%と、30年前の2倍以上に達している。  彼らが今、その富を相続人などに分配し始めており、住宅購入や起業、慈善事業への寄付などの経済活動を一気に解き放っている。