京都の「かも川」は、鴨川・賀茂川・加茂川、どれも正しい?Photo:PIXTA

話題の新刊書『おもしろ雑学 日本地図のすごい読み方』からの抜粋で、日本全国、北から南まで、日本地理の知られざる仰天知識を紹介していく。今回は「川」の呼び名にまつわる話題をお届けする。

上流では「賀茂川」表記だが、
下流に行くと「鴨川」に変わる

 鴨川は京都市内の南北を流れる約23キロメートルの長さの川で、京都市を象徴する川でもある。京文化を育んできた川といえるだろう。夏、鴨川の岸辺に木組みの床を張り出し、納涼を兼ねて料理を楽しむ「川床(かわどこ)」は、京都の風物詩になっている。

 そんな大きな存在の河川流域にある上賀茂神社や下鴨神社の東を流れている場所では、なぜか「賀茂川」と表示されている。ところが出町柳を抜けて高野川と合流すると、その下流では「鴨川」と表記されるのである。事実、高野川と合流する地点の下流に掲げられている標識では、「一級河川鴨川(賀茂川)」と微妙な表記。漢字を取り違えてしまいそうだ。