現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
29万部の大ヒットを記録しているベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「損得のない人間関係」とは?
――ひろゆきさんは、友達は多いほうですか?
ひろゆき氏:どうでしょう。普通じゃないですかね。というより、増やそうと思ったことは一度もないですし、多ければいいってもんでもないですからね。
単純に友達を増やしたいなら、お金を使えば増えますから。「ごはんオゴるから来てよ」と言って誘ったら、いくらでも人は集まりますよね。その場で「オレら友達だよな?」って聞いたら、「そうだね」と答えてくれると思います。
肝心なのは、お金を持たなくなったときです。「勢いのあった起業家が、事業で失敗してお金がなくなったとき、まわりからサーっと人がいなくなる」という話をよく聞きますが、そのとおりですよね。
――お金のことは抜きで考えるべきですよね。
ひろゆき氏:損得のような利害関係が絡んでいる限り、友達ではないですね。ましてや親友なんかでは絶対にない。だから、「お金がなくても遊べること」が友達としての第一条件になりますね。
お互い、誘われたときにお金がなかったとしたら、「いま、金ないけどいい?」ということを正直に話せるかどうかです。そこで見栄を張ったり、嘘をついてしまうような相手なら、それは友達ではないでしょうね。
あと、いざというときに家に泊められるかどうかも大きいですね。
「リスクを負えるかどうか」で見極める
――なるほど。中には、家には絶対に誰も入れたくない人もいますよね。そういう人はどうでしょう?
ひろゆき氏:そこで実は「親友かどうかを見極めるポイント」が絡んでくるんですよね。たとえば、友達の中でも特に仲良いやつがいるとします。そいつが、深夜に電話をかけてきて、「ちょっと泊めてくれない?」と言ったとします。
で、あなたは、「家はちょっとダメかもな」と答えたとします。
そしたら友達が、「ちょっと悪いことをしてしまって、どうしても家に帰れないんだ。もしかしたら逮捕されるかもしれない。だから、少しの間だけかくまってほしいんだ……」と言ってきたとします。どうしてもあなたにしか頼れないと言ってきたときに、「めんどくさいな」と思ったのならただの友達だし、「それは大変だ……。仕方ない、ウチに来いよ」と言えるのなら親友だと、そう思うんですよね。
特に、何か犯罪が絡んでいたときって、もしかしたらあなた自身もトラブルに巻き込まれるリスクがあるかもしれないわけです。でも、そんなリスクを負ってでも、何かしてあげたいと思えるようなやつが、1人や2人はいると思うんです。それくらい思えるのが、親友かどうかを見極めるポイントですよ。
――家族の場合もそうですよね。損得なく、その人をかばったり助けることができますからね。
ひろゆき氏:別に、親友の肩を持てと言っているわけではないんです。もし、親友が犯罪をおかしたのなら、自首することを勧めたり、怒ってあげることも必要でしょう。ただ、そんな時間すら過ごしたくないと思ったり、めんどくさいから縁を切ろうとしてしまうような相手だったら、それは親友ではないということです。すごくシンプルですよね。
だから、自分には親友がいるのかどうか、ちょっと想像してみたらいいと思いますよ。親友じゃない人だとしたら、多少、割り切って付き合うことも必要ですからね。限られた時間やお金は、大切な人にたくさん回すべきですから。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、29万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。