米国の富裕層は株高と超低金利から大きな恩恵を受けている。生活を潤すために安い金利でローンを利用しつつ、納税は最低限に抑えている。銀行によると、裕福な顧客はかつてないほど借り入れを行っている。株式や債券といった保有資産を担保にすることが多いという。モルガン・スタンレーのウェルスマネジメント部門では、証券担保ローンなど非住宅ローンの残高は681億ドル(約7兆5000億円)相当と、5年前から2倍余りに増加している。バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)の証券担保ローンは624億ドルに上り、ホーム・エクイティ・ライン・オブ・クレジット(HELOC、住宅担保ローン)を上回る。証券担保ローンには、柔軟な返済条件や低金利のほかにもメリットがある。株を手放さなくても、必要な現金を借り入れることが可能だ。スタートアップ企業の創業者の場合は、自社の支配権を失うことなく保有する自社株を担保に融資が受けられる。超富裕層はこうしたローンをキャピタルゲイン税(譲渡益税)回避のための「買って借りて死ぬ(buy, borrow, die)」戦略の一つとして利用することが多い。
米富裕層「買って借りて死ぬ」戦略とは
株式や債券などを担保に低金利で銀行融資を受けて節税
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