世界的な半導体不足は悪質業者の温床を作り出している。半導体を必要としている企業は、これまで考えたこともなかったようなサプライチェーン(供給網)上のリスクを取っているが、結局は購入したチップが機能しないという目にあっている。不審な販売業者が検索エンジンに広告を出し、必死になっている買い手を誘い込んでいる。一方で、偽物の部品を検出するエックス線装置の販売は好調だ。これは、品薄になっている半導体を何としても手に入れようとする世界的な動きが生んだ品質管理の危機である。半導体がなければ、世界経済が回復する中で、家電製品や作業用トラックなどさまざまな製品のメーカーは回復の足掛かりが得られないままになる。