【ベジエ(フランス)】10歳の少年リヤド・エル・バロウディ君は、通っている小学校のカフェテリアで給食をとる度にジレンマに直面している。  リヤド君はイスラム教の戒律に従うため、父親から豚肉を食べることを禁じられている。だが今年1月、フランス南部ベジエの地元当局は公立学校の給食メニューを簡素化したため、提供される肉は豚のみとなってしまった。  「これは挑発行為だ」。リヤド君の父親ラキド・エル・バロウディさんはこう述べる。  フランスでは今、全国の公立学校が宗教と国家の厳格な分離を定めた「ラシエテ」推進派と、イスラム教徒との対立の舞台となっている。