欧州連合(EU)は、欧州の優秀な官僚たちが気候変動問題について壮大な計画を立てていることを世間に知らしめたいと考えている。それを証明するためEUは14日、規制と支出面の包括的計画を公表した。この計画は、畏怖と衝撃の戦略と呼んでもいいだろう。EU当局者らは、有権者らにEUの壮大な野心への強い畏怖の念を抱かせることで、計画の中身について衝撃を受ける暇を彼らに与えないようにしたいと願っている。欧州委員会によれば「フィット・フォー・55」と呼ばれるこの気候変動対策パッケージの目標は、2030年までにEUの二酸化炭素(CO2)排出量を、1990年のレベルから少なくとも55%減らすというものだ。これが実現すれば、2050年までに欧州を「世界初のクライメット・ニュートラル(実質排出ゼロ)の大陸」とするための道筋が整うという。EUが示した壮大な計画には、膨大なページ数にわたる法改正と支出目標の提案が盛り込まれている。
【社説】EU気候対策案の「畏怖と衝撃」
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