米カリフォルニア州の研究者は14日、脳の信号をコンピューター画面上で言葉に変換する実験的な脳インプラントを開発し、そのテストに成功したことを明らかにした。研究論文は米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。この技術によって人はいずれ頭で考えただけで話ができるようになる可能性があり、今回の成果はその実現に向けた一歩となる。また、毎年何千人もの人がけがや病気で話す能力を失っており、そうした人たちにとって一筋の希望の光を与えるものでもある。しかし、こうしたいわゆる「言語神経義肢」の限界は、「ブレーン・コンピューター・インターフェース(BCI)」がまだ黎明(れいめい)期にあることを示している。BCIは、脳から発せられる微小な電気信号を発話や入力、コンピューターカーソルの操作といった物理的な世界の動作に変換する技術。これに近年注目しているのは、学術研究者だけではない。米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が立ち上げたニューラリンクのほか、カーネルやフェイスブックなどのテクノロジー企業もBCIの商用化を目指している。