米国はイランの対中原油輸出を対象とする制裁強化案を検討している。イラン政府が核交渉を放棄した場合の代償を大きくし、難航している核交渉を成立させる方向に誘導する狙いだ。米国の交渉チームは2015年のイラン核合意の立て直しに向け、4月から欧州の同盟国などとの作業を進めている。米当局者や関係者によると、米国は交渉の行き詰まりを背景に、イランに交渉を継続させるための選択肢や、交渉を続けなかった場合の制裁措置を検討している。米国がまとめようとしている1つの案は、イランの主要な貿易相手国である中国への原油輸出を禁じ、収入源を断つというもの。推計で日量100万バレルの輸出を手掛ける海運ネットワークを標的に新たな制裁を検討している。