先週は、富豪の宇宙旅行に世界の関心が集まる一方で、地球にとって大きな進展となる出来事はあまり注目されなかった。その出来事とは、中国で16日、長い間待ち望まれていた全国的な二酸化炭素(CO2)排出量取引が開始されたことだ。この市場がうまく機能するかどうかは、世界が最悪の気候シナリオの確率を下げられる可能性が実質的にどれくらいあるのかを判断するのに大きな役割を果たし得る。また一方で、中国と欧米の間の重要な争点になるだけで終わってしまう可能性もある。米国と欧州連合(EU)が、中国が排出量の削減に真剣に取り組んでいると判断すれば、先進国の積極的な気候変動対策が加速し、一般的な関係においてゼロサム的でないアプローチが使える余地が広がる。