ゼネラル・モーターズ(GM)のピックアップトラック「シボレー・シルバラード」を所有していたフランコ・ドカジ氏は最近、フロアマットを買い替えようとなじみのディーラーを訪れたが、店を出る時には破格の取引を終えていた。販売店は、彼が1年間乗っていたピックアップトラックを昨年春の新車購入時よりも3000ドル(約33万円)高く買い取りたいと申し出たのだ。この車をカー・ディテイリング(車の美装補修)の仕事用に使っていたドカジ氏は「『うそだろ』という感じだ。こんな出来事はこれまで目にしたことがない」と語った。ここ数カ月で中古車価格は急騰しており、経済原則を無視するような動きを示している。自動車はかつて、使用年数とともに価値が下がっていく資産の典型と考えられていた。しかし、ディーラーやアナリストによると、一部のカーオーナーは、自分の車が購入時以上ではないにしても、それと変わらない程度の価値を持っていることに気付くようになっている。