アップルのサプライヤーを含め、米国に製品を輸出する中国の工場で、新疆ウイグル自治区出身の労働者を避ける動きが出てきた。イスラム系少数民族に対する「ジェノサイド(民族大量虐殺)」だと糾弾する西側諸国が、強制労働への監視の目を強めていることが背景にある。アップルの主要供給元で、タッチスクリーンメーカーの藍思科技(レンズ・テクノロジー)は、国家主導の労働移動施策を通じて確保したウイグル族の労働者の雇用を段階的に廃止した。元従業員や工場周辺の店主らの話で分かった。現従業員によると、同社はウイグル族の新規採用を停止した。マスクメーカーの湖北海興衛生用品集団も、現在は新疆出身の労働者を雇用していない。匿名の従業員が電話取材で明らかにした。同社の個人用保護具(PPE)は米国の電子商取引(eコマース)サイトで販売されている。その従業員によると、同社は昨年9月、強制労働疑惑を巡る追及の目が厳しくなったことを受けて、新疆出身者については雇用契約を更新しないことを決めた。
ウイグル族の解雇じわり、中国の工場で方針転換
強制労働疑惑を追及する米国の輸入禁止リスクに直面
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